大統領は、憲法上は行政権の単独保有者で、軍隊の最高司令官である。その選出も、例外事態を除いては合衆国議会に左右されない。連合規約時代にはそもそも強力な行政部が必要との認識がなかったため、連合会議(或いは大陸会議、これもCongressである)が委員会を適宜設け行政をさせていた。
しかし日本にあって受けるイメージとは異なり、アメリカの大統領は内政を指導する強力な手段を持たない。世論形成への指導力は大きいが、法案提出権はないうえ(拒否権はある)、予算も個別法律なので完全に議会の権限である。そのため、大統領が戦費調達を議会指導部に要請したというニュースは、今も時々目にすることがあるだろう。
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しかし大統領は上院の同意を要するものの、大使任命権と条約締結権により、事実上外交権を握っている。
各省長官を初めとする連邦政府高官の任命には上院の助言と同意が必要であるが、大統領と上院多数派の政党が異なる場合においても、上院多数派が一致して自党員の登用を要求するような事態は起こっておらず、大統領と異なる政党の人物が登用されるケースは大統領と上院多数派の党派の一致・不一致を問わず異例のことである。